- 2026年1〜4月の日本株は、期待先行の上昇と外部リスクによる急落が混在した相場だった
- AI・半導体関連株が日経平均を押し上げる一方、3月には中東情勢と原油高懸念で大きく調整
- 残り8ヶ月は「日本株全体を買う」よりも、業績・配当・金利耐性を見た銘柄選別が重要になりそう
2026年に入り、早くも約3分の1が過ぎました。
今年ここまでの日本株市場を振り返ると、単純な右肩上がりではなく、「期待で上がり、リスクで崩れ、再びAI・半導体で戻す」という、かなり値動きの大きい展開だったと感じます。
特に印象的だったのは、日経平均が2月に一時5万8,000円台へ上昇し、4月には一時6万円台へ乗せたことです。一方で、3月には中東情勢の悪化や原油高への警戒から急落する場面もありました。
この記事では、2026年1〜4月の日本株を月別に振り返りつつ、残り8ヶ月の見通しについて投資目線で考えていきます。
2026年1〜4月の日本株サマリ
2026年ここまでの日本株を一言で表すなら、
「日本株再評価の流れは続いているが、短期的には期待先行と外部リスクが入り混じる相場」
だったと思います。
年初は、米国株高やAI・半導体関連への期待を背景に、日本株も強いスタートを切りました。1月6日の東京市場では、日経平均が続伸して始まり、TOPIXも史上最高値を更新したと報じられています。ロイター
2月には、政治要因も加わりました。衆院選での自民党勝利を受け、いわゆる「高市トレード」が再び意識され、日経平均は初めて5万6,000円台を突破しました。その後、2月12日には一時5万8,015円08銭まで上昇し、年初来で13%超上昇していたと報じられています。Reuters / Reuters
しかし、3月は一転して大きな調整となりました。中東情勢の悪化を受け、日本株は原油価格の動向と歩調を合わせるように不安定な動きとなり、日経平均は3月23日に一時5万688円まで下落、月初来の下落率は13.9%に達したとされています。岡三証券レポート
4月には再びAI・半導体関連株への買いが強まり、日経平均は一時6万円台に到達しました。4月23日には史上初めて一時6万円台をつけ、4月27日には終値ベースでも6万537円36銭と、初めて6万円を上回って引けたと報じられています。ロイター / Barron’s
1月:半導体・AI期待で日本株は好発進
1月の日本株は、年初から強い動きとなりました。
米国株高やAI・半導体関連への期待が日本株にも波及し、日経平均・TOPIXともに堅調に推移しました。特に、半導体関連やハイテク株への資金流入が相場全体を押し上げた印象です。
1月6日の東京市場では、日経平均が前営業日比324円高の5万2,157円22銭で寄り付き、TOPIXも史上最高値を更新しました。ロイター
この時点では、2025年から続く日本株再評価の流れがまだ続いているように見えました。
背景には、以下のような要素があります。
- AI需要の拡大
- 半導体関連株への資金流入
- 企業の株主還元強化
- 東証改革による資本効率改善期待
- インフレ定着による名目成長期待
ただし、1月の段階ですでに「株価が先に走っているのではないか」という警戒感もありました。日本株への期待は強いものの、金利上昇や為替の影響を考えると、単純に強気一辺倒では見づらい相場だったと思います。
1月のポイント
- 日本株は年初から堅調
- AI・半導体関連が相場をけん引
- TOPIXも史上最高値を更新
- 一方で、期待先行の雰囲気も出始めた
2月:政治期待と海外資金で一段高
2月は、1月の強さに政治要因が加わりました。
衆院選での自民党勝利を受け、投資家の間では政策期待が高まりました。いわゆる「高市トレード」が再び意識され、日経平均は2月9日に初めて5万6,000円台を突破しました。Reuters
その後も日本株への資金流入は続き、2月12日には日経平均が一時5万8,015円08銭まで上昇しました。ロイター調査では、2026年の日本株は企業業績や海外投資家の資金流入を背景に、日経平均が中期的に6万円台を目指すとの見方も出ていました。Reuters
2月の相場は、業績期待だけでなく、政策期待・海外投資家の買い・円安メリットなど、複数の材料が重なった上昇だったと考えられます。
ただし、上昇スピードが速かったため、短期的には過熱感も強まっていました。
2月のポイント
- 衆院選後の政策期待で日本株が一段高
- 日経平均は初の5万6,000円台へ
- 2月中旬には一時5万8,000円台まで上昇
- 海外投資家の資金流入も日本株を支えた
3月:中東情勢と原油高懸念で急落
3月は、ここまでの楽観ムードが一気に冷やされた月でした。
中東情勢の悪化により、原油価格やエネルギー供給への不安が高まり、日本株は大きく調整しました。
大和アセットマネジメントのレポートでは、2月28日に始まった米国とイスラエルによるイランへの攻撃と、イランによる報復を背景に、中東情勢を巡る不確実性が高まったと整理されています。また、日本はエネルギー供給の多くを輸入に頼っているため、エネルギー価格上昇は日本経済にとって下押し要因になりやすいと指摘されています。大和アセットマネジメント
岡三証券系のレポートでも、日本株は原油価格の動向と歩調を合わせて不安定に推移し、日経平均は3月23日に一時5万688円まで下落、月初来の下落率は13.9%に達したとされています。岡三証券レポート
日本はエネルギー輸入国であるため、原油高は企業収益だけでなく、家計負担にも影響します。
特に、以下のような連鎖が意識されました。
- 中東情勢悪化
- 原油価格上昇
- 輸入コスト増加
- 企業収益の圧迫
- 消費者物価の上昇
- 日銀の利上げ観測
- 株価の調整
3月の急落は、日本株の弱点を改めて示した月だったと思います。
つまり、国内企業の改革や株主還元が進んでいても、日本株は海外情勢・エネルギー価格・為替・金利に大きく左右されるということです。
3月のポイント
- 中東情勢の悪化でリスクオフ
- 原油高懸念が日本株の重荷に
- 日経平均は一時5万688円まで下落
- 日本がエネルギー輸入国である弱点が意識された
4月:AI・半導体株が再び相場を押し上げる
4月は、3月の急落から一転し、日本株が再び強さを取り戻しました。
主役となったのは、やはりAI・半導体関連です。
4月23日には、日経平均が史上初めて一時6万円台に乗せました。ただし、その日は買い一巡後に利益確定売りが優勢となり、終値は5万9,140円23銭でした。ロイター
その後、4月27日には日経平均が1.4%上昇し、終値ベースで初めて6万円を突破。6万537円36銭で取引を終えたと報じられています。Barron’s
一方で、4月の上昇は全面高というよりも、AI・半導体関連株への資金集中が目立つ相場でした。
楽天証券のレポートでも、日経平均が6万円台をつけた背景にはAI・半導体株の一極集中があるとされ、ソフトバンクグループなど指数寄与度の大きい銘柄が相場を押し上げたと指摘されています。楽天証券
つまり、指数だけを見ると強い相場ですが、保有銘柄によっては「日経平均ほど上がっていない」と感じた人も多かったのではないでしょうか。
4月のポイント
- 日経平均は一時6万円台へ
- 終値ベースでも初の6万円超え
- AI・半導体関連株が相場をけん引
- 一方で、指数寄与度の高い銘柄に上昇が偏った
2026年ここまでの日本株をどう見るか
2026年1〜4月の日本株を振り返ると、強気材料と警戒材料がはっきり分かれています。
強気材料
- AI・半導体需要の拡大
- 企業の株主還元強化
- 資本効率改善への期待
- インフレ定着による名目成長期待
- 海外投資家の日本株買い
- 政治・政策期待
警戒材料
- 株価上昇スピードの速さ
- AI・半導体関連への一極集中
- 中東情勢など地政学リスク
- 原油高による企業収益圧迫
- 日銀の利上げ観測
- 円安による輸入コスト増加
特に重要なのは、日本株は強いが、すべての銘柄が同じように強いわけではないという点です。
日経平均が6万円台に到達しても、上昇の中心はAI・半導体関連や一部の値がさ株に偏っています。今後は、指数全体の上昇よりも、個別銘柄の実力を見る必要が高まりそうです。
残り8ヶ月に向けた見込み
① 日本株の再評価は続く可能性がある
日本株は、企業改革・株主還元・資本効率改善という構造的な材料を持っています。
そのため、2026年後半も日本株再評価の流れが続く可能性はあります。
J.P. Morganは、AIブームや円安を背景に日経平均の年末目標を7万円に引き上げたと報じられています。Reuters
もちろん、これはあくまで一つの見通しです。ただ、海外投資家が日本株に対して引き続き強気の見方を持っていることは、相場の支えになりそうです。
② ただし、短期的な調整は十分あり得る
一方で、ここまでの上昇スピードを考えると、短期的な調整は十分あり得ます。
特に、以下のような材料には注意が必要です。
- AI・半導体株の調整
- 原油価格の再上昇
- 日銀の追加利上げ観測
- 円安による物価上昇
- 決算が市場期待に届かないケース
4月時点では、日本株の強さと同時に、期待先行の面も見えています。
そのため、残り8ヶ月は「上がるか下がるか」よりも、「どの銘柄なら下がっても持てるか」が重要になると思います。
③ 高配当株は引き続き注目されるが、利回りだけでは不十分
新NISAの影響や配当重視の流れから、高配当株への関心は引き続き強いと考えられます。
ただし、株価上昇によって利回りが低下している銘柄も増えています。
今後は、単純な配当利回りだけでなく、以下のような指標をセットで見る必要があります。
- 配当利回り
- DOE
- 配当性向
- 営業キャッシュフロー
- 自己資本比率
- 増配余地
特に高値圏では、「高配当だから買う」ではなく、「減配しても持てる企業か」を考えることが大切です。
④ 金利上昇局面では金融株に注目
日銀の政策正常化が続く場合、金融株には追い風が吹く可能性があります。
メガバンク、保険、地銀、ノンバンクなどは、金利上昇の恩恵を受けやすい一方、信用コストや景気悪化には注意が必要です。
そのため、金融株は「金利上昇ヘッジ」として一定の役割を持ちますが、すでに株価が上昇している銘柄もあるため、買い増しは慎重に判断したいところです。
⑤ 商社・エネルギー・素材は引き続き重要テーマ
3月の中東情勢悪化で見えた通り、日本株にとってエネルギー価格は大きなリスク要因です。
日本はエネルギー輸入国であるため、原油高は日本経済全体にはマイナスになりやすいです。
一方で、商社・エネルギー関連・素材企業の中には、資源価格上昇や海外権益がプラスに働く企業もあります。
今後は、単純に「エネルギー高は悪い」と見るのではなく、
- 資源権益を持っているか
- 価格転嫁力があるか
- 海外収益比率が高いか
- インフラ・素材として必要不可欠な事業か
といった視点で銘柄を見ていく必要がありそうです。
まとめ:残り8ヶ月は「銘柄選別」がより重要に
2026年1〜4月の日本株は、非常に大きな動きのある相場でした。
- 1月:AI・半導体期待で好発進
- 2月:政治期待と海外資金で一段高
- 3月:中東情勢と原油高懸念で急落
- 4月:AI・半導体主導で日経平均6万円台へ
日本株への期待はまだ残っています。
ただし、指数が強いからといって、すべての銘柄が同じように強いわけではありません。
残り8ヶ月は、
- 業績が伴っているか
- 配当は継続できるか
- 金利上昇に耐えられるか
- 海外リスクに強いか
- 期待先行で買われすぎていないか
を見ながら、より慎重に銘柄を選ぶ相場になりそうです。
個人的には、2026年後半の日本株は「日本株全体を買う相場」から「実力のある企業を選ぶ相場」へ移っていくと考えています。
短期的な調整はあっても、企業改革や株主還元の流れが続く限り、日本株の中長期的な魅力はまだ残っているのではないでしょうか。

