市場は政策期待を織り込み過去最高値を更新
高市政権誕生がもたらした市場の熱気日経平均は4万7,944円で大引け、過去最高値を更新
2025年10月6日、自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出された直後の東京株式市場は大幅高となり、日経平均株価は前日比+2,175.26円（+4.75%）高の47,944.76円で取引を終えた。政治イベントを「政策実行期待」として織り込み、相場のリスクオンが一段と強まった格好だ。
今回の上昇は単なるご祝儀相場ではなく、防衛・エネルギー安全保障・通信インフラといった高市政権の重点政策が、実体経済を支える分野への資金回帰を促した点が大きい。
Ⅰ．相場上昇を支えた３つの要因
- ① 不確実性の後退： 総裁選の決着で政治リスクが低下し、海外投資家も含む買い越し姿勢が強まった。
- ② 政策テーマへの資金流入： 防衛・通信・電力・建設など、政権の重点分野が主導。
- ③ 為替と金利の思惑： 当面の緩和継続観測が円安バイアスを支え、外需・資本財も押し上げ。
Ⅱ．上昇が顕著だった業種とセクター動向
| セクター・業種 | 上昇理由・背景 |
|---|---|
| 輸送用機器 | 円安期待で輸出採算の改善を織り込み。 |
| 電気機器・精密機器 | 半導体・電子部品など技術系に資金流入。 |
| 非鉄金属・素材 | インフラ投資・国防需要の思惑で物色。 |
| 通信・サイバー | 通信網強化・情報保全の政策期待。 |
| 電力・エネルギー | 原子力再稼働・系統増強の再評価。 |
| 建設・インフラ | 国土強靭化・公共投資の拡大観測。 |
一方で、銀行・保険などの金融株は「利上げ遠のく」見方から逆行安となる場面もみられた。
Ⅲ．「高市関連株」—事前予想と実際の動き
総裁選前から注目されていた“高市トレード”は概ね的中。防衛・通信・エネルギー・インフラが上位の値上がりグループとなり、外需寄りの機械・電機も追随した。
| テーマ | 関連分野の例 | 本日の反応 |
|---|---|---|
| 防衛・安全保障 | 装備・重工・素材強靭化 | 政策期待で大幅上昇 |
| 通信・サイバー | クラウド、ゼロトラスト、監視・暗号 | 政策テーマ化で買い進む |
| エネルギー（原子力含む） | 電力、系統増強、蓄電 | 再稼働・安定供給期待で高値圏 |
| インフラ・建設 | 国土強靭化、老朽更新 | 公共投資シナリオで上昇 |
| 輸出・資本財 | 機械・電機・部材 | 円安想定と設備投資期待 |
Ⅳ．持続の条件：期待を成果に変えられるか
- 初期100日での制度化： 防衛・通信・エネルギーの具体策を速やかに。
- 財政×金利の綱引き： 長期金利の安定と国債需給の確保。
- 日銀との整合： 物価安定と成長の両立シナリオの明確化。
- 外部環境： 米中動向・為替のボラティリティ管理。
Ⅴ．総括
本日の47,944.76円という過去最高の終値は、「期待の先取り」と「政策テーマの再編」が重なった結果だ。今後は、スピードと実行で市場の信頼を定着させられるかが最大の焦点となる。
参考・出典
- Yahoo!ファイナンス（時系列）：2025/10/6 終値 47,944.76円
- 株探：大引け 市況（10/6）終値 47,944.76円
- ロイター：日経平均は終値で最高値更新
- みんかぶ：終値 47,944.76円（+4.75%）
