注記(必読)
本記事は、2025年8月4日(月)の国内外の市況報道・公式データをもとにした要約・解説です。投資判断の前に一次情報(取引所・当局・企業の開示、主要メディアの元記事)をご確認ください。
⏱ 30秒サマリー:重要3ポイント
- 日経は続落:朝方は -2%超まで下げる場面→引けは約-1.2%で下げ渋り。米雇用統計の弱さを受けた成長懸念が波及。銀行・輸出が重し。(出典:Bloomberg/Investing.com)
- ドル円は147円台:雇用ショック直後の円高から147.5円前後で往復。米9月利下げ観測が強い一方、ドルの自律反発も。(出典:Reuters LSEG FX)
- 今週の軸は「為替×決算」:米金利低下と国内決算シーズンが同時進行。円感応度の高い外需と、利ざや期待の銀行で綱引き。(出典:Reuters/Bloomberg)
🧭 3分でつかむ全体像
- 背景(先週金曜):米7月雇用統計は非農業雇用+7.3万人、失業率4.2%と弱く、過去分は大幅下方修正。9月利下げ観測が急拡大し、米金利は低下。(出典:AP/Reuters)
- アジア市場の月曜:成長懸念でアジア株は総じて軟調。日本は朝安後に下げ幅縮小し日経-1.1~-1.2%程度で引け。(出典:Reuters/Bloomberg)
- 為替:雇用ショック直後は円高に振れたが、月曜は147円半ばで小反発。今週は米金利指標・要人発言待ちでレンジ想定。(出典:Reuters LSEG FX)
- 国内材料:直近の日銀会合は0.5%据え置き・物価見通し上方修正。為替と物価にらみで“一段の引き締め余地”は残す——というスタンス。(出典:Reuters)
🔎 徹底解説:セクターと投資家心理の今
1) 銀行・保険:利ざや期待は一服、為替で目線調整
米金利低下→国内長期金利の上値が抑えられ、銀行は調整優勢。一方で日銀は「先行き利上げの可能性」を消しておらず、業績見通しは底堅いとの見方も根強い。決算のガイダンスと国内金利の足取りを同時に確認したい局面です。(出典:Reuters)
2) 外需(自動車・電機):円の水準次第で選別に
ドル円147円台は依然として輸出採算に中立〜追い風。ただし、急な円高戻りには要注意。想定レートと為替感応度の高い銘柄は、上流〜下流で影響差が出やすい。足元は米需要の減速懸念と綱引きです。(出典:Reuters LSEG FX/Reuters)
3) ディフェンシブ(食品・医薬・インフラ):相対堅調
雇用減速シグナルでリスク選好が鈍ると、安定収益のセクターに資金が滞留しやすい。インバウンド消費の腰折れ懸念はあるが、内需ディフェンシブの下支えは続く公算です。(出典:Reuters/各社決算動向)
4) 直近データ:製造業PMIは50割れで様子見ムード
7月の日本製造業PMIは48.9と再び50割れ。外需の弱さやコストの粘着が重石で、積極的な在庫積み増しに踏み切りにくい状況。企業側の慎重姿勢が、株式の戻りを鈍らせる要因になっています。(出典:Reuters/S&P Global PMI)
家計・投資家の実務チェック
家計:為替と金利の“往復”に備える
- 旅行・EC:ドル円の戻りは未確定。外貨建て支出はレート指値・分散で対応。
- ローン・預金:国内金利の動きが鈍い間に、固定費(保険・通信)見直しで可処分所得を確保。
投資家:ポジションは“軽く・広く”、決算はKPIで見る
- 為替感応度チェック:想定レート・為替感応度の高い銘柄は、レンジ相場に合わせてサイズ調整。
- 決算のKPI:銀行はNIM/与信費用、輸出は受注/在庫、内需は価格転嫁/客数を要確認。
- イベントドリブン:米要人発言・米CPIまでの“真空地帯”は逆張りが機能しやすい半面、ストップは浅めに。
まとめ
8/4の日本株は、米雇用ショック→利下げ観測の流れの中で、円と金利のせめぎ合いが続く一日でした。為替は147円台で往復、銀行と外需が綱引き、内需ディフェンシブが相対堅調。今週は為替のレンジと国内決算のKPIを手掛かりに、ポジションは軽め・分散で臨むのが無難です。