「自己株式を企業が買う理由」について解説
中長期での株価上昇が期待できる材料
企業が自分の価値を高めたいときに使う戦略の一つ
概要と登場人物紹介
このブログでは、金融やテクノロジーの最新情報をお届けするために、二人のキャラクターが登場します。彼らの対話を通じて、複雑な概念もわかりやすく解説していきます。
アンノ ゴウ
50歳の暗号資産(仮想通貨)と金融の専門家で、深い知識と経験を持っています。冷静な分析と豊富な情報を基に、投資や金融に関するアドバイスを提供します。彼の解説は、初心者から経験者まで幅広い読者にとって、理解しやすい内容になっています。
カソウ ツウタ
24歳の若手社員で、投資に対する興味を持ちながらも、まだ実際に行動に移すには不安を感じている初心者です。彼の率直な質問と関心が、読者の疑問に共感を呼び、より深い理解へと導きます。
自己株式の公開買い付けとは?

アンノさん!ネットで『自己株式の公開買い付け』って見かけたんですけど…正直なんのことやら…

いい質問だね、ツウタくん。自己株式の公開買い付け、英語で言うと『Self Tender Offer』、略してS.T.O.とも呼ばれるけど、簡単に言うと、企業が自分の株を投資家から買い戻すことだよ。

え!?企業が自分の株を…買うんですか?それって、株主がお金払って株を買うのとは逆ですよね?

そうそう、逆の動きだね。企業が“買いますよ”と公に発表して、“この価格で、この期間に、売ってくれる人いませんか?”って呼びかけるんだ。それが“公開買い付け”というやり方さ。
なんでわざわざ自分の株を買うの?

でもなんでわざわざそんなことするんですか?普通に事業にお金使えばいいのに…

いいところに気づいたね。実はこれ、企業にとっていろんな“戦略的メリット”があるんだよ。

戦略的メリット…気になります!

たとえばこんな理由があるよ
① EPS(1株あたり利益)を上げたいとき
→ 株の枚数が減るから、利益を分ける人数が減って1株の価値が上がるんだ。
② 株主への還元として
→ 配当じゃなくて“買い取り”という形で還元する方法もある。
③ 敵対的買収を防ぐため
→ 株数を減らして他社に経営権を握られないようにする防衛策にもなるんだ。

なるほど、会社にとっても株主にとっても“利害が一致することがある”んですね。

そうだね。特に企業が“自分たちの株は今、安すぎる”と判断したときには、自分で買って市場に評価してもらおうって動きになるんだ。
実際にどんなことが起きるの?

具体的には、どんな会社がやってるんですか?

最近だと、たとえばNTTや資生堂が自己株式の公開買い付けを行ったことがあるよ。特にNTTは、市場価格よりも高い値段を提示して株主から買い取ったことで話題になった。

えっ!?市場より高いって、株主にとってはラッキーじゃないですか?

そう。だから、発表があると“この株価より高く売れるかも!”って期待が高まって株価が上がることもあるんだ。

具体的には、どんな会社がやってるんですか?

最近だと、たとえばNTTや資生堂が自己株式の公開買い付けを行ったことがあるよ。特にNTTは、市場価格よりも高い値段を提示して株主から買い取ったことで話題になった。

それは…売るか持ち続けるか迷いますね。持ってても株価が上がるなら嬉しいし、売れば即利益だし…

まさにその通りで、投資家は“売るべきか保有すべきか”を冷静に判断する必要がある。ただ、買い付けが終わった後に**株価が下がることもあるから注意が必要だよ。
投資家はどう対応するべき?

じゃあアンノさん、投資家としてはどういうスタンスでこの公開買い付けを見ればいいんですか?

うん、基本は“企業の本気度”を見ることが大事だよ。

本気度?

そう。たとえば、業績が悪くないのに自社株を大量に買い戻す場合、“この株は本当はもっと価値がある”と企業が考えてる証拠にもなる。
でも逆に、業績が不安定なのに自社株を買いまくってるとしたら、“ちょっと株価を支えようとしてるのかも…”って裏を読む必要もある。

なるほど…。ニュースを見て“わーい上がりそう!”って飛びつくんじゃなくて、ちゃんと企業の意図を読まないといけないんですね。

まさにその通り!公開買い付けの背景と財務状況をセットで分析するクセをつけるといいよ。
おさらい
- 自己株式の公開買い付け=企業が市場から自社の株を買い戻すこと。
- 目的は、EPSの向上、株主還元、買収防衛など戦略的なもの。
- 市場より高値で買うケースも多く、株価に好影響を与えることがある。
- 投資家は企業の財務状況や目的を見て判断するのが大切。