- ダボス会議2026(WEF)の議論は「5つの主要課題」に整理でき、投資テーマに翻訳しやすいです。
- 2026年に“伸びやすい”軸は、AI×電力、半導体、電力網(送配電)、サイバー、ロボット自動化、脱炭素(産業転換)、地政学×供給網。
- 注目日本株は「テーマに強い企業」を具体例として紹介(投資判断は決算・バリュエーション・リスク確認が必須)。

ダボス会議ってニュースで見るけど…結局、投資のヒントになるんですか?

なります。ダボスは「世界の重要テーマの棚卸し」だから、
来年伸びやすい業界が見えやすいんです。

今回はWEF2026の論点から“期待の業界”と“注目日本株(例)”を整理します。
ダボス会議(WEF)2026の前提:テーマは「A Spirit of Dialogue」
WEF年次総会(いわゆるダボス会議)2026は、2026年1月19日〜23日に開催され、テーマは「A Spirit of Dialogue(対話の力)」。議論は、分断・技術革新・地政学の変化を前提に「協力の再構築」と「成長の作り直し」を強く意識した構造になっています。
WEFが示した「5つの主要課題」→投資テーマに翻訳する
WEFの公式整理では、ダボス会議2026の議論は次の5つの問いに集約されています。
- より対立が深まる世界で、どう協力するか?
- 新しい成長源をどう解き放つか?
- 人への投資をどう強化するか?
- イノベーションを大規模に、責任を持って実装できるか?
- 地球の限界(環境制約)の中で繁栄を築けるか?
ここから投資目線で重要なのは、「話題になったから上がる」ではなく、
①需要が増える(構造要因)
②政策・規制が追い風
③供給制約で価格決定力がある
——この3条件を満たす業界を見つけることです。
2026年「期待の業界」7選(ダボス会議の論点から)
1) AI(生成AI)×計算資源(データセンター)
2026の主役は「AIを使う企業」より、AIを支える“裏方インフラ”になりやすい。
- 企業のAI導入が進むほど、クラウド・サーバー・ネットワーク投資が増える
- 推論(Inference)の拡大で、設備は「継続課金型」に寄りやすい
- 電力・冷却・運用まで含めた“総合力”が必要になり、参入障壁が上がる
投資目線のチェック:データセンター投資計画/電力調達(PPA等)/設備稼働率
2) 半導体(AI・車載・産業)
AI時代は“半導体不足”が再び起きやすく、装置・検査・材料まで含めて需要が厚くなる。
- AI向けは最先端だけでなく、電源・アナログ・高信頼も伸びる
- 各国の戦略投資が続き、景気循環でも下支えが入りやすい
- 供給制約がある分、勝ち企業は価格決定力を持ちやすい
投資目線のチェック:受注残/設備投資の波/顧客の投資計画(AI・車載)
3) 電力需要の急増=送配電・電力網(グリッド)
AIの普及は“電気が足りない問題”を表面化させ、送配電・変電・省エネが伸びやすい。
- データセンター増で電力需要が増加(発電より“運ぶ・整える”がボトルネック化)
- 電力網の増強・更新は時間がかかり、投資が長期化しやすい
- 省エネ機器・パワエレの重要度が上がる
投資目線のチェック:送配電投資/変電・配電の更新計画/省エネ規制
4) サイバーセキュリティ(国家・企業の必需品)
分断が進むほど、サイバーは「保険」ではなく「必需品」に変わる。
- 攻撃対象が「企業」から「社会インフラ」へ拡大しやすい
- AI普及で攻撃側も高度化し、防御投資が継続しやすい
- 規制・ガイドライン強化で“やらざるを得ない支出”になりやすい
投資目線のチェック:官公庁・大企業案件比率/サブスク比率/解約率
5) ロボット・自動化(人手不足×生産性)
人手不足の解決策は「採用」より「自動化」に寄りやすく、工場・物流・現場の投資が続く。
- 人材投資をしても、現場の人手は急に増えない
- 生産性の差が企業競争力に直結しやすい
- “見える化→自動化”の流れで周辺機器まで需要が波及
投資目線のチェック:設備投資サイクル/受注の地域(米中欧)/為替感応度
6) 脱炭素・産業転換(電化・水素・省エネ)
脱炭素は「理想論」ではなく、設備更新と効率化の“現実の需要”を生む。
- 省エネ投資は景気が弱くても削りにくい(コスト削減に直結)
- 電化・燃料転換はサプライチェーン全体に波及
- ルール変更(規制・補助)で勝ち筋が入れ替わりやすい
投資目線のチェック:補助金依存度/採算ライン/プロジェクトの遅延リスク
7) 地政学×供給網(防衛・重要インフラ・再配置)
“安い調達”から“止まらない調達”へ。供給網の強靭化は投資テーマになりやすい。
- 地政学リスクで、部材・製造拠点の再配置が進む
- 重要インフラ(通信・電力・輸送)の保全が優先度上昇
- 防衛・安全保障関連の中長期計画が投資を下支えしやすい
投資目線のチェック:官需比率/契約期間の長さ/政治・予算の変動
注目日本株(例):テーマ別リスト
注意:以下は「WEF2026の論点から見た関連銘柄例」です。推奨や売買指示ではありません。必ずご自身で、決算・事業内容・株価水準・リスク(為替/規制/競争)を確認してください。
AI×データセンター(“AIを支える裏方”)
- NTT(通信・データセンター/ネットワークの基盤)
- 富士通(企業向けDX/AI実装、SI)
- NEC(官公庁・安全保障×IT、インフラ系)
- ソフトバンクグループ(AI関連投資の色が出やすい)
半導体(装置・検査・材料まで“面で”)
- 東京エレクトロン(製造装置)
- アドバンテスト(検査装置)
- SCREENホールディングス(洗浄など装置)
- ディスコ(切断・研削)
- 信越化学工業 / SUMCO(材料・ウエハ周辺)
- ルネサス / ローム(車載・産業向け半導体)
電力網・電化(AI時代の“電力ボトルネック”)
- 日立製作所(電力・制御、社会インフラ)
- 三菱電機(FA/電力機器)
- 富士電機(パワエレ・電源系)
- 明電舎(変電・電力設備)
ロボット・自動化(人手不足×生産性)
- ファナック(工作機械・ロボット)
- 安川電機(サーボ・ロボット)
- キーエンス(工場の見える化・自動化)
- オムロン / SMC(制御・空圧など周辺)
サイバーセキュリティ(“守る投資”が増えやすい)
- トレンドマイクロ(セキュリティ大手)
- サイボウズ(業務基盤のクラウド化=統制ニーズ)
脱炭素・産業転換(省エネ/電化/水素)
- 三菱重工業(エネルギー・大型インフラ)
- IHI(エネルギー/インフラ領域)
- ENEOS / INPEX(エネルギー転換の中での戦略)
地政学×供給網(安全保障・重要インフラ)
- 三菱重工業(防衛・インフラ)
- IHI(防衛・インフラ)
- NEC(安全保障×IT)
テーマ株の“外しやすいポイント”3つ
- テーマが強くても、株価が先に織り込み済み(PER/PBRや成長率の前提を確認)
- 需要はあるのに供給が追いつかない(納期・設備投資・人材が制約になる)
- 政策・規制で勝ち筋が変わる(補助金/輸出規制/安全保障の影響)
たとえ話:ダボス会議は「来年の天気図」。天気図で“雨の予報”が出たら、傘が売れる店(=関連業界)は強い。でも、すでに傘が高値で売られているなら、買う場所とタイミングは工夫が必要…というイメージです。
まとめ:ダボス会議2026から見える“伸びやすい軸”
- AIの普及は「半導体」と「電力網」を同時に押し上げやすい。
- 分断・地政学は「サイバー」「供給網」「重要インフラ」需要を作りやすい。
- 日本は政策面でもAI・半導体・ロボティクスが重点になりやすい。

